Rollonと、ミラノ工科大学のエンジニア達による学生団体Skywardは、欧州ロケットチャレンジの競技会におけるロケット打ち上げのために、2年連続で協力し、共に取り組みます。2023年の競技会にエントリーするGeminiロケットは、そのエアロブレーキにRollonが供給するリニアレールを装着します。
Rollonは、ミラノ工科大学のさまざまな学部のエンジニア達を集めた学際的団体Skywardとのコラボレーションを、今年も発表できることをうれしく思います。同コラボレーションの目的は、ヨーロッパ初の大学ロケット打ち上げ競技会、欧州ロケットチャレンジ(EuRoC)2023年大会で打ち上げる、新しいロケットを設計することです。
今年、Skywardは、二相酸化剤として亜酸化窒素を、固体燃料として3DプリントされたABSを使用した、特殊なハイブリッド推進剤を動力源とするエンジンを搭載したGeminiロケットでEuRoCに参戦します。
このロケットには、Rollonが提供するリニアレールが、エアロブレーキを開くために搭載され、打ち上げ時の大きな負荷にもかかわらず、これらの重要なコンポーネントが正常に機能することを保証します。競技では、Geminiロケットのエンジンは、目標高度3,000メートルまでロケットを打ち上げなければなりませんが、実際にはこの高度を超えられるよう設計されています。これを成功に導くためには、速度をコントロールできる必要があります。このタスクは、ロケットの制御システムによって調整されるエアロブレーキに完全に委ねられているのです。Rollonレールの直線的な動きによって、エアロブレーキの抜き出しと再格納が可能になります。同レールは、その頑丈さと耐荷重により、時速1,000kmの速度で、それぞれ200Nの荷重が持続的にかかっても、メカニズムの完璧な機能を保証します。
RollonがSkywardとこのプロジェクトで協力するのは今回が初めてではありません。SkywardチームがPyxisロケットでEuRoC 2022に勝利した1年前から、このパートナーシップは始まっていました。Pyxisロケットも、今回Geminiに搭載されるものと同じレールをエアロブレーキに使用していました。
EuRoCの2023年大会は、10月に開催予定です。10日から16日までポルトガルのコンスタンチアで開催され、サンタ・マルガリーダ軍用キャンプで行われる公式打ち上げの模様は、ライブで見ることができます。
Skywardとのコラボレーションは、Rollonが常に追求してきた、地域支援、研究、技術革新という目的に、完璧に合致するものです。特に航空宇宙部門は、多くの技術革新が可能なセクターであり、技術的進化に影響を与えることができることが改めて証明されました。このセクターは、Rollonがその専門知識とノウハウを提供することができる分野なのです。
Skyward Experimental Rocketry
Skyward Experimental Rocketryは、2012年に設立されたミラノ工科大学の学生団体で、現在はさまざまな学部(航空宇宙、機械、コンピューターサイエンス、エレクトロニクス)から100人以上のメンバーが所属しています。学生たちが授業で学んだ理論的知識を、実践に反映することができるようにする目的で設立されたこの団体は、観測ロケットを1,000メートル以上打ち上げるという目標を達成したのです。
欧州ロケットチャレンジ
ポルトガルの宇宙開発機関が主催する欧州ロケットチャレンジは、ロケットの設計と打ち上げに携わる学生団体が競い合う、ヨーロッパ初の競技会として2020年に始まりました。毎年、ヨーロッパ中からチームがポルトガルに集まり、3,000メートルと9,000メートルの2つのカテゴリーで精密打上げ競技を競います。目標高度に最も近づき、その後、落下するロケットを決められた位置で回収することでポイントが加算されます。その他にも、最優秀技能賞、最優秀チームワーク賞、最優秀デザイン賞、最優秀フライトパフォーマンス賞などが授与されます。
Rollon:あらゆるオートメーション化に対応するモジュラー型リニアテクノロジー
Rollonは、45年以上にわたり、リニアモーションシステムの製造および開発に特化してきました。今日、Rollonグループは、リニアレール、テレスコピックレール、アクチュエータの分野で、最大級の品揃えを誇り、リニアテクノロジーの総合的なソリューションを提供するリーディングカンパニーのひとつとして、世界中で事業展開しています。そのモジュラー型リニアコンポーネントの幅広いラインナップにより、Rollonは、いかなる分野、用途、要件であっても、フレキシブルなメカニカルオートメーションシステムやオーダーメイドプロジェクトを実現することができるのです。またRollonなら、必要に応じて、各コンポーネントをカスタマイズしたり、まったく新しいソリューションを開発することも可能です。